小児矯正を1期治療でやめるとどうなる?1期治療で終了でも良い条件とは?

      2024/01/13

矯正について調べてみると「1期治療」「2期治療」と出てきます。小児矯正は、1期治療と2期治療の2段階に分かれます。

1期治療は、乳歯(子どもの歯)から永久歯(大人の歯)に生え変わるまでの間にする矯正治療です。
2期治療は、全て永久歯に生え変わった後に行う矯正治療です。大人の方が行う矯正治療と同じになります。

小児矯正といっても、皆さんが最終的にきれいな歯並びにしたいのは「乳歯」ではなく「永久歯」だと思います。そのため、「それなら、2期治療だけでもいいのでは?」と思う方はいらっしゃると思います。もちろん、2期治療だけでも矯正治療はできますが、1期治療の時期だからできる矯正治療があります。
まずは「1期治療は、どのような矯正治療を行うのか」1期治療の目的についてお伝えします。

小児矯正の1期治療とは?

1期治療とは、歯をきれいに並べる矯正治療ではなく、歯並びが悪くなる原因を取り除く矯正治療です。

・顎の骨のバランスを整える
・歯が生えるスペースをつくる
・お口周りの癖を取り除く
といった「歯を並べるための土台作り」を行う矯正治療です。
お子さんの上下の咬み合わせや顎のバランスをみながら、顎の成長を促す矯正装置を使うこともあります。顎の成長を促す治療は、子どもの成長期だから期待できる効果です。また、咬み合わせなどの変化に適応しやすいため、大人に比べると治療の負担は少ないと思います。
他にも指吸いや舌の癖、お口が閉じているかなど、普段の生活での癖や習慣が歯並びに影響してくることがあります。こういった歯並びや顎の成長に悪影響を及ぼす癖や習慣を「口腔悪習癖」といいます。悪影響が出てくる前に癖や習慣を改善していくことも1期治療の役割です。
では、なぜ「1期治療をして土台作りをすることで何が良いの?」となるのではないでしょうか。1期治療をするメリットは以下の2つが挙げられます。
・顎のバランスを整えられる
・抜歯矯正の可能性が低くなる

咬み合わせが悪いことで顎関節症になったり、歯にダメージが起きて、歯周病が進行しやすくなります。顎のバランスを整えると咬み合わせが安定できて、大人になってからの病気を予防できます。
また、顎を拡げることで歯が並ぶスペースができるので、歯を抜かなくても矯正ができます。
1期治療だからできる治療のため、2期治療では同じ治療ができないことがあります。子どものうちにできる治療は、治療できる時期が決まっています。遅すぎるとできない治療ですので、早めに小児矯正について考えておきましょう。

小児矯正を1期治療でやめるとどうなる?

「1期治療を始めると2期治療は絶対しないといけないですか?」と聞かれることがあります。矯正治療は矯正期間が長く、自費治療なので料金がかかります。矯正させてあげたいけど「1期治療だけでやめたいな」とご要望の親御さんは多くいらっしゃいます。
前提として、矯正治療は1期治療~2期治療という流れで治療を行いますので、1期治療だけでなく2期治療までのトータルで考えます。ですので「1期治療だけで矯正治療が終わります」とお約束はできませんが、1期治療だけで終了される方もいらっしゃいます。
1期治療だけで矯正治療をやめた場合は、完璧な歯並びではなく歯並びの完成度が70%くらいになります。「なんとなくきれいに並んでいる」「咬み合わせが安定している」くらいまでの矯正治療はできるでしょう。元の歯並びや咬み合わせの状態によっては、矯正治療をした歯並びに見えないこともあります。あくまで1期治療は「土台作りの矯正治療」のため、きれいな歯並びまでもっていくことは難しいと考えましょう。

1期治療と2期治療で目的が異なるため、両方の治療を受けることを推奨

1期治療では、顎のバランスを整えるなどの歯が生えるスペースをつくる土台作りを行います。そして、2期治療で歯並びをきれいに並べます。矯正治療の目的が違うため、1期治療~2期治療までトータルで矯正治療を行うことをお勧めします。
せっかく1期治療で土台作りをしたのに2期治療をしないと歯がガタガタ・八重歯などの歯並びのままになります。「それでも始めた時に比べると良いですよね」となることが多いです。
きれいな歯並びは、お口の中を自己管理しやすくなり、虫歯や歯周病になりにくくなるメリットがあります。小さい頃から歯医者に通って、歯磨き指導など予防や管理について知っていただいているからこそ、もっと病気にならないようにしてもらいたいと思っています。
若いうちには気にならない歯周病も、大人になるとほとんどの方が罹患している病気です。口腔環境を良い状態で保つには、自己管理しやすい環境をつくることが1つだと思います。歯並びだけ、今の状況だけを考えるのではなく、今後のことも考えてみてください。患者さんの長い人生を考え、トータルの矯正治療をお勧めしております。

1期治療で途中終了でも良い条件とは?

1期治療がうまくいき、歯並びが悪くない場合は、1期治療で矯正治療を終了できる方もいらっしゃいます。

・骨格的な問題がある
・歯が埋まっているなどの異常がある
・生えてきた歯の向きが違う、捻じれなどがある
などの問題がある場合は2期治療まで行うことがほとんどです。しかし、このような問題がない場合は、1期治療で終了することができます。
先程も言ったように、完璧な歯並びにはならないですが、咬み合わせ・歯並びが70%くらいの完成度になります。しかし、食事をしたり喋ったりと生活するうえで困ることはないでしょう。
1期治療での完成度・2期治療までやる完成度について、お子さんの歯並びによってメリット・デメリットは変わります。1期治療までで矯正治療が終了できるのか、担当の歯科医師と相談してみてください。

1期治療後、期間を空けて2期治療に取り組むことはできる?

「1期治療が終了した後すぐに2期治療を始めないといけませんか?」とお問い合わせいただくことがあります。
1期治療後、期間を空けて2期治療を行うことはできます。2期治療は大人の矯正治療と同じ治療ですので、いつからでも開始できます。
1期治療が終了する時期が12歳前後です。(歯の生え変わりや顎の成長によって変わってきます)中学校へ進学すると環境やお子さんの精神的な成長など色々な変化が起こります。通院ができなくなる・子どものモチベーションがなく非協力になることも考えられます。この時期に2期治療を行うことが難しい方もいらっしゃいます。
高校生や大学生になってから2期治療を開始される方も多く、1期治療後から3~6年後からでも2期治療はできます。2期治療の期間によっては、学校の進学などで通院ができるのかをよく考えておく必要があります。ライフイベントなどを考え2期治療の時期を決めてください。
いつでも再開できるとは言いましたが、矯正治療をするのであれば早いうちが良いです。「若いうちの方が怪我の治りが良い」といいますよね。
骨の中に埋まっている歯を動かして矯正治療を行います。矯正治療の治りや予後は、年齢とともに悪くなりやすいです。30代で矯正治療をするより10代で矯正治療を行う方が治りが良いとされています。「いつか2期治療をしようかな」と考えているのであれば、早めに2期治療を開始した方が良いでしょう。

まとめ

小児矯正は、1期治療と2期治療の2段階あります。
1期治療で顎のバランス・咬み合わせを整え、癖や習慣などの改善を行います。歯を並べるというよりも歯並びが良くなるための土台作りの役割です。2期治療できれいな歯並びにしていくための矯正治療を行います。
1期治療から2期治療までトータルで治療を行うことで、きれいな歯並び・咬み合わせを目指します。1期治療だけの矯正治療ですと70%くらいの歯並びになります。歯並びや咬み合わせ・お子さんや親御さんのご要望に応じて、1期治療で終了することもあります。
歯医者としては、きれいな歯並びを目指すのであれば1期治療から2期治療までトータルで矯正治療を行うことをお勧めします。1期治療を終了して2期治療を継続していない場合でも、歯並びが気になったタイミングで2期治療を開始できます。2期治療の開始時期は担当の歯科医師と相談して決めましょう。



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